皆さん、こんにちは。いそべゆうこでございます。

報告②では私が所属する常任員会(厚生文教常任委員会)に付託された議案について報告いたします。

付託された議案は、議案第11号(川西市国民健康保険税条例の一部を改正する条例の制定について)、議案第15号(令和元年度川西市一般会計補正予算 第5回 厚生文教常任委員会に関すること)、議案第16号(令和元年度川西市国民健康保険事業特別会計補正予算 第2回)議案第17号(令和元年度川西市後期高齢者医療事業特別会計補正予算 第1回)、議案第19号(令和元年度川西市介護保険事業特別会計補正予算 第3回)です。

この中から、議案第11号について報告します。

議案第11号…国民健康保険税の税率が、一人当たり賦課額で年額7,324円、割合にして7.53%の改定が必要となるため、条例の一部を改正しようとするものです。(賛成多数で可決、私は賛成しました。)

国民健康保険は平成30年度から、運営主体が市区町村から都道府県に移管されました。理由は、広域化によるスケールメリットを打ち出して、財政基盤を立て直すためです。この改革によって医療給付に必要な全額が兵庫県から川西市に交付されます。一方、その原資として、川西市は兵庫県に対して納付金(国民健康保険事業費納付金)を納付しなければなりません。納付額は、川西市の所得水準、医療費水準、被保険者数に応じ決定され、その納付額を全て保険税で賄う場合の保険税率(標準保険料率)と併せて兵庫県から示されます。

近年の傾向として、被保険者数は減少はしているものの、医療費水準は上がっており、一人当たりの納付金額は上昇傾向です。従って、現行の税率を維持した場合、収支不足が年々増加することになります。勿論、基金を投入する方法もありますが、そうすると、基金は瞬く間に枯渇してしまいます。

川西市での税率改定は、平成27年度に行われていますので、5年ぶりになります。近隣他市(7市1町)と比べた場合、過去9年間で値上げをした回数が1回の市は、川西市、宝塚市、伊丹市、尼崎市、西宮市、芦屋市、猪名川町。3回値上げをしたのが三田市、また、運営主体が県に変わった時点で値下げをしたのが、尼崎市、西宮市、三田市、そして、猪名川町です。

今回は、何パターンかのシミュレーションを行った上で、税率7.53%への改定になりましたが、致しかたなしと考えます。

しかしながら、一人当たり賦課額で年額7,324円、割合にして7.53%の改定というものの、この改定率は平均であり、所得によっては改定率が0.00%から10.01%まで開きがあり、所得階層を53に分けた内、34の階層が平均値より高くなっています。さらに、4人世帯(世帯主:40歳、妻40歳、子10歳、子9歳)のモデル世帯においては、給与収入に占める保険税の負担額が、最大13.43%になる層があります。

決して安くない国民健康保険税です。

今回は税率を上げることになるのですが、どうすれば川西市として県に納付する額が減るのか=税率を下げることができるのかを、併せて考えていく必要があります。

税率を決める要素の中に、所得水準がありますが、これについては水準が上がることは好ましいことですし、また、被保険者数についてはコントロールできません。従って、医療費水準を下げる=医療費の削減につながる努力に一層注力していくことを、改めて要望しました。

具体的には川西市が取り組んでいる「健康増進政策」、例えば、特定健診やがん検診など各種検診の受診率の向上や、ジェネリック医薬品を選択肢として考えられるよう、わかりやすい説明を薬剤師協会の皆さんと協働して進める、誰でもが参加しやすい健康マイレージの仕組みつくりなどに取り組むことで、被保険者の方々が今以上に健康になればなるだけ、国民健康保険税の負担が低くなる可能性があります。

また、全国における兵庫県全体の健康増進に対する評価が上がることも、税額を下げることにつながるため、川西市だけでなく県下の市町全体で健康増進策に取り組めるような情報交換や事業についても、積極的に取り組んでいくよう要望しました。

今回は税率改定だけではなく、賦課限度額(保険税の上限額)の引き上げがあります。これによって、高額所得者の税負担が増えます。また、これとは、逆に、保険料軽減特例措置の見直しにより、軽減対象者が拡大されます。

日本における国民皆保険制度は素晴らしい制度だと思います。国民健康保険事業がこれからも永続的に運営できるよう、被保険者の健康増進にもさらに力を入れていくべきことを、行政側の人たちだけでなく、国民健康保険に加入している市民の皆さんにも伝えていきたいと思います。

厚生文教常任委員会での各議案の審査の内容は、川西市議会のホームページ「委員会報告書」で確認いただけます。

 

追記

令和元年6月に発覚した、川西市の国民健康保険の普通調整交付金(国から交付され国保事業の財源となるもの)の申請誤りによって未交付となった約5,800万円については、市長、副市長はじめとする市職員の給与削減で対応することになったことをご報告いたします。また、それに加え、再発防止策として、リスクを可視化し具体的な対応につなげていくための内部統制制度が導入されました。